まだまだあるリン脂質の優れた機能 - リン脂質は生活習慣病予防や脳機能維持に対して特別な生理作用を有することがわかってきており、これは今後の研究課題である。特に、それ自体非常に多くの機能を有するEPAやDHAを含むリン脂質のみで構成されている数の子脂質の栄養機能性に関しては病気予防に対する計り知れない可能性を秘めている。今後の積極的な研究が望まれる。
それでは、中性脂肪とリン脂質ではどこか機能に違いがあるのでしょうか?実はこれがおおありなのです。まだ、その詳細については科学的に完全に証明されたとはいえませんが、リン脂質が興味ある機能性素材であることは間違いありません。
通常、中性脂肪は脂肪酸とグリセリンだけが結合した形をしています。しかし、リン脂質はこの脂肪酸+グリセリンに、さらにコリン、セリンなどが結合しているのです。
このコリンやセリンは、
神経系の働きを活発
にし、
痴呆やアルツハイマーに効果的
であるとの報告が出されています。
数の子リン脂質にもこうしたコリンやセリンが存在し、同時に含まれているDHAと相乗的に作用し、
脳に対して非常に有効な生理作用
を示しているとも考えられるのです。
また、DHAを含むリン脂質はDHA単独よりも
強い抗癌作用
を有することも我々は見出しています。例えば、癌の治療には抗癌剤が使用されますが、DHAを含むリン脂質のみが、ある種の抗癌剤の作用を相乗的に増大させることを明らかにしております。
現在、DHA含有リン脂質のその他の機能についても検討中ですが、新たな生理作用の見つかる可能性が高いといえます。今後さらに見当が必要な研究分野と思われます。
このように、数の子に含まれるDHAあるいはEPA含有リン脂質は、機能性の素材として今後大いに注目に値するでしょう。
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